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石見銀山暮らす宿

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暮らす宿の日々暮らす宿の日々

蔵の工事が始まりました

寛政元年(1789)創建の阿部家は買い求めた当時、
30年もの間空家だった事もあって、廃墟と化していました。
誰もが「これにお金をかけるより、一層取り壊して新しく建てた方が…」
というほど荒れ果てておりました。しかし私は不思議と何の迷いも無く、直そうと思い立ったのでした。

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2001年の2月、第一期工事がスタートしました。
工事は屋根瓦を下し土壁と小舞竹をはずし、骨組みだけにして
傾きを直すところからはじまりました。
そして新しい竹で小舞を組み直し土は古い土を練り直して元に戻し、
朽ちた柱は根継ぎして直してゆきました。今思えば気が遠くなるような作業でした。

2.18 (1)
 

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2005年の二期工事、2009年の三期工事を進むにつれて
阿部家はただ建物として再生されていっただけでなく、何かが蘇りはじめました。

この度、台所の奥の米蔵を改修する事になりました。いつも掃除するところから始まります。
夫の強い要望でリビングバーとして改修します。
台所では竃婆の私ですが、蔵の中では夫は蔵爺とでも言いましょうか。
友人の倉橋工務店頭領の倉橋勝二さんとはやりながら考えましょう、
家の声を聞きながら…と話しています。

阿部家がどうなろうとしているのかちゃんとその声を聞きとりながら改修して行きたいと思います。

竃婆 登美
 


片付ける前の蔵

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