俗(続)他郷阿部家物語 令和七年度版
俗(続)他郷阿部家物語 令和七年度版
お婆さんは、世間でいう「後期高齢者」になったそうな。「後期高齢者」とはなんと配慮に欠けた言い 方かとお上のセンスのなさに、お婆さんは苛立ちを感じておりました。とは言え、年を重ねるごとに、 お婆さんの楽しみは増えて、毎日ワクワクして暮らしておりました。
お婆さんの最近の一番の楽しみは、阿部家の土蔵から出てきた七代目、阿部光格さんの日記から昔の暮らしぶりを知ることです。新しい発見や気づき があり、楽しくてしょうがありません。代官所に 通う、ちひろという娘が日記を読み解き、それを 絵に描いてくれることで、当時の暮らしぶりが手に 取るようにわかり、お婆さんは興味津々です。「ありがたや、ありがたや。この娘の類いまれな 絵の才能のおかげじゃ」と感謝感謝の日々を 送っているのでした。
恒例の餅つきの絵を見たお婆さん。「何という ことじゃ!阿部家では今も昔も変わりなく暮ら しが営まれていたんじゃのう!」絵の中には、 お婆さんもいれば、仲良し町内別居中のお但さん が来て餅つきしている。拓さんもいる。類くん、 鈴木くんもいる。山碕さんが伽門で餅米を蒸し ている。連綿と紡がれる阿部家の暮らしを目の 当たりにして、これを後世まで伝えなければな るまい、とお婆さんは「もう年だから」なんぞ 言ってはおれぬ。「お迎えが来たら「まだ早い!」 と追い返さねば」と張り切っているそうな。 めでたしめでたし。
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おばあさんは最近インスタグラムにはまっています。
ご興味のある方はのぞいて見て下さい。
https://www.instagram.com/matsuba_tomi/
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