1ヶ月のインターンを終え、阿部家を去ることになりました。
阿部家に来た理由は色々ありますが、1番はホームページに載っていた、みんなで夕食を食べている写真を見たこと。不思議と惹かれるものがあったのを覚えています。
実際、阿部家に来てからも、私は夕食の時間が一番好きでした。
お客様とスタッフが交わる時間。
奇跡のような一期一会がある時間。
夕飯の時間が始まったら、流れる時間が変わるのです。
楽しくおしゃべりしながら、ニコニコ笑いながら、食べる。
ちょっとずつ、お互いの心がほぐれていく。
コミュニケーションにおいて、一緒に食事をするって大事だなあってぼんやり思っていたけれど、本当にそうだなと思いました。
ある人が
「家族とは、同じ食卓を囲んだ人たち」
と言っていたけれど、まさに家族のようなあったかさがあるのです。
さて、このインターンを終えて、
ひとつ、大事なことに気づくことができました。
それは、今まで外に外にばっかり目が向いていた私が見落としていたもの。
登美さんの言葉を借りるならば「足元の宝」です。
当たり前で、小さなことだから、つい見過ごしがち。だけど、それに目を向けること。
小さなことに気づいていくと、生活の中で会話が増えました。
「このにおい、この音だともう炊けたかな…」といった土鍋との会話、
「昨日はつぼみだったのに、今日は咲いてる!」という野花との会話など。
こんな風に小さなことに気付くって、なんだか、その対象のものと、コミュニケーションをとれたみたいに感じて嬉しいんです。その対象のものと会話をしているような感覚。だから毎日が楽しい。
日々、色んな発見・気づきがあって、
日々、色んな会話が生まれる。
私がいま住んでいる地域のおばあちゃんは、いつも「ああ、今日は○○さんと○○さん、それに○○さんまで。3人もの人と喋れた。よかったよかった」と言います。つまり生活の中で人との会話が楽しみみたいなところがあるのです。
それと同じで、相手が人でなくても、生活の中で会話があると楽しいのです。
最近はどうしてもスマホとの会話ばかりになりがちだけれど、もっと周りに目を向けてみたら、気づいていないだけで面白いことはいっぱいある。
実はよくみたら、そんな遠く彼方を探さなくても、足下に、宝はある。ちゃんと、そこにある。大事なものが。目の前のものを大事にするところからすべては始まるな、と思いました。
この1ヶ月、本当に素晴らしい時間を過ごすことができました。
たった1ヶ月、されど1ヶ月。間違いなく人生において重要な1ページになったと思います。
また「ただいま」と言って、たまには“帰省”したいな、と思います。
本当に短い間でしたがありがとうございました。
暮らし紡ぎ係 研修生 田邊絵夢
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