素晴らしき、この余白の一日。
町との距離が、ぐんと近くなる。
朝日を浴びて目覚めたら、ぽっかりあいた余白のような1日の始まり。
時間の使い方はあなた次第。まるで住人になった気分でこの町の暮らしに溶け込んで、
ここでしかできない体験を、宝もののように拾い集めましょう。
目を覚ましたら、顔を洗って服を着替えて、加藤家のご近所にある「ベッカライ コンディトライ ヒダカ」へ。ここはドイツで修行したご夫婦が、移住して始めたベーカリー。ドイツ伝統のブレッツェルや田舎風パン、地元で採れる果実や野菜入りのパンなど、あれこれ目移りしながら選ぶのも楽しくて。わが家に帰ったら、淹れたてのコーヒーと一緒に「いただきます」。
今日は地図を片手に、大森町探検へ。町並み地区は20分ほどで端から端まで歩けてしまうサイズ感ながら、神社仏閣や武家・町屋など史跡が驚くほどたくさん。銀山で栄えた頃の活気が偲ばれます。少し疲れたら、群言堂石見銀山本店のカフェで、ランチがてらひと休み。そぞろ歩きの道すがら見つけた商店で、今夜の食材や地酒も買い込んでおきましょう。
加藤家の土間にあるおくどさん(かまど)で、ごはん炊きにチャレンジ。スタッフに教わりながら、薪や焚き付けをくべて火をおこします。燃えさかる熱を体で感じながら、火のパワーにしばし心を奪われて。昔ながらの分厚い釜とずっしり重い木蓋が、お米をふっくらおいしく炊き上げる秘密。つやつやぴかぴか光るごはんは、何よりのごちそうです。
体験について地元っ子になりきって過ごした1日の終わりには、家と人との距離感もすっかり縮まって、心の底からくつろいだ気分に。このまま家でのんびり過ごすのもいいし、土曜の夜なら、温泉津まで足を伸ばして、温泉に浸かりついでに、龍御前神社で行われる夜神楽を鑑賞するのも素敵。石見の地に息づく伝統に触れて、忘れられない一夜になるはずです。